美味しい大根餅をひたすら研究する、料理部のKunicoです。

前回の記事:>> 美味しい大根餅への道のりvol.1<道具編>

前回に引き続きまして、本日は「vol.2<材料編>」です。
大根餅を美味しく作るための材料のオハナシ。

とてもシンプルな材料ですが、シンプルだからこそ各材料の比率が美味しさや好みの食感を決めることになります。

■大根について

☆部位の秘訣は「大根の下部」

青首大根は、上部と下部で味わいや水分量が異なります。
首に近い上部は甘みがあり、下部になるほど辛みや苦みが増します。より大根そのものの香りや味わいを楽しみたい私は「大根の下部」をオススメいたします(加熱することで苦みや辛みは揮発するのでご心配なく)。

大根の下部がおすすめ!

また、大根餅の食感の決め手にもなる「水分量」も、下部がちょうどよいです。水を使わず大根の水分量だけでつくるこのレシピにはもってこいなので、ぜひとも一番下部から計量してくださいね。

みずみずしい上部は、生食として梅サラダや大根おろしで食べるのが好きです!

■粉について

☆食感の秘訣は「粉の種類」

主に使う種類は米粉ですが、やはり大根餅に最適なのは、台湾の大根餅に使われている「在来米粉」です。粘りが少なく細長い米から作られた米粉です。

在来米粉は >>こちらで購入 できます。

在来米粉メインでつくると、軽くて「ぷるん」とした仕上がりになりますが、それだけだと私にとっては少々軽すぎまして。また焼いた焦げ目の味が、いわゆる「ご飯のおこげ」にそっくりだったこともちょっと納得できませんでした。
もう少しだけ味わいをクリーミー&ふくよかにしたかったため、少し日本の米粉(上新粉 or 製菓用米粉)をブレンドするに至りました。

使用する粉は米粉です

上新粉をメインで作った場合の仕上がりは、まるで「大根の良い香りがする軽めのホワイトソース」でした。牛乳等は一切いれていませんが、ホワイトソースそのもの。・・・これはこれで大変美味しく、我が家のホワイトソースは今後大根入りのこれにしようと思えるほどだったのですが、大根餅としては重たすぎて好みではありませんでした。

なんといいますか。例えば上新粉メインで固めに大根餅を作った場合。手作りの「ういろう」や「柏餅」の食感をイメージすると分かりやすいかもしれません。

☆美味しさの秘訣は「粉の量」

色々なレシピを比較・分析したところ、粉量や大根のグラム数、水の量までも比率は実に様々でした。
たくさんあるレシピをあれやこれやと試してみたところ、私の好みは「粉はぎりぎりまで少なく軽めの食感でより大根を感じるもの」とわかりました。

Kunicoレシピの比率は、おおよそ「大根5:粉類計1:水0(大根の水分だけ)」です!

粉と水分量の比率は大事です

粉量が多く、焼いた団子やお好み焼きのような固さがあるものは・・・ちょっと苦手です。さらに、パサつきがないみずみずしいものを目指しました。

■水分について

☆成功の秘訣は「水分量」

手間暇かけて作るなら、美味しく・きれいに・保存に向いた状態に作りたいですよね。包丁で切った時、きれいに角が立った状態にしたかったのです。

チャレンジして一番多かった失敗原因は「水分量調整」でした
あれやこれやとさんざ試してみましたがなかなかうまくいかず。まあまあ美味しくできても、なかなか納得いくものができませんでした。
そして、何よりも嫌だったのが「大根から出る水分を捨てること」でした。
しぼり汁をスープに流用しても良いのですが「どうせ水を入れるなら、どうして大根おろしの水分を捨てなくてはならないの?」と疑問を抱き、徹底的に抗って工夫した結果このレシピになりました。

<成功例>

粉の調合と大根・水分の比率を実験し、最終的に蒸す前の状態はこんな仕上がりにたどり着きました。

最終的にはこのような状態に

<失敗例>

頑なに粉を多く足すことを拒否(笑)した仕上がりは・・・。当然ながら、焼くときに形が保てずくずれるほど「べっちょり」。長時間かけて蒸してみても、味は美味しいけどコレジャナイというものが出来上がりました。

失敗例

ちなみに失敗したこれ↑は、グラタンに流用し、焼いたチキンやチーズと一緒に美味しくいただくことができまして、これはこれで大変美味なので失敗したときのご参考まで☆
ちなみに上新粉ホワイトソースは「具アリ」の材料に水(or 牛乳?)を足して作るのがオススメです。ポイントは「アミエビ」。しっかりと海老グラタンの味になります。また、上新粉はダマになりにくいのでオススメです。

他にも上新粉を先に熱湯で溶いてよーく練ったり、白玉粉を練って大根とあわせたり、はたまた大根おろしの水分の絞り方を工夫してみたりと、本当にいろいろな実験をしました(笑)

上新粉や白玉粉をつかってみた

※形が崩れても、カリっと焼いた中身はトロトロしたものが好きだという方も中にはおられるようです。

■保存について

☆保存の秘訣は「冷凍庫」

せっかく作った大根餅、どうせなら保存食としても活用したいですよね。
ところが、作った大根餅はあまり日持ちしません。冷蔵保存であれば2~3日です。なので、切って熱を冷ましたあと一つ一つをラップにくるみ、ジップロックに入れた「冷凍保存」をおススメいたします。

ラップしてからジップロックへ!

冷凍であれば一か月は楽しめるので、副菜や主食(粉ものなのでw)の保存として、大活躍してくれます。
さほど水分が多くないレシピなので、冷凍にとても向いています。

■準備について

☆楽ちんの秘訣は「下準備」

意外と手間がかかる大根餅。
器具、材料、調味料計量に至るすべての準備を先に整えてから作り始めてください。大根餅最大のハードルは「工程と器具の多さ」です。
タネを流し込む型にラップorクッキングシートを敷くのですが、その準備も調理を始める前に済ませておきましょ。

特に合わせ粉の軽量準備は神!

余裕があるときに、前もってビニール袋に全部を入れて計量したら、ビニールの口を手でしめてガシャガシャ振り、冷凍庫にでも放り込んでおきましょ(ふるいにかけなくても大丈夫です)。私はブレンド粉を2袋ほどいつも冷凍庫に常備しています。
大根を買ったら気が向いたときに計量してラップしておきます。作りたいときに作れるように準備しておくと、好きな時に「いざ!」となれます♪
「具アリ」を作る際のアミエビもしかり、でございます。

調理中の同時進行作業はせいぜい洗い物程度で済むよう、全ての準備をしっかり整え段取りをイメージしておくと、本当に楽ちんに作れますよー。

最初の頃は段取りも手際も悪く(しかも試行錯誤実験もしながらなので余計に・・・)キッチンで大暴れかつあちこち粉と大根が飛び散る始末。いざ作ろうとする時は、だいぶ気合と思い切りが必要でしたが。慣れた今では気が向いたときの準備のおかげでササッと作れるようになりました!(笑)

事前準備をしっかり済ませることで、楽しく楽しく作ってくださいね。

以上、今回は「美味しい大根餅への道のりvol.2<材料準備編>」でした。
次回の記事はいよいよ「Kunicoの大根餅レシピ[具なし]」です!

>> Kunicoの大根餅レシピ[具なし]
>> Kunicoの大根餅レシピ[具入り](準備中)